◆非接触搬送装置がなぜ必要か?
Why non-contact transportation mechanism is required?
(基板サイズの推移(2003年8月 旭硝子株式会社 FPDガラス事業概要より))
現在、液晶ディスプレイやプラズマディスプレイパネル(PDP)などFPDの生産生産額は、ブラウン管を上回ったいます。大量生産の結果、FPD単価が下降する一方で、その大型化が急速に進んでいます。さらに、パネル一枚当たりのコストは、一枚のマザーガラスから何枚のパネルが切り取れるか、すなわち面取り数で決まることから、マザーガラスは年々大型化が進んでいます。例えば、基板サイズ1870mm×2200mmのマザーガラス基板においては、17型パネルで36面、27型ワイドTV用パネルで18面、37型ワイドTV用パネルで8面、さらに47型ワイドTV用パネルで6面の面取りが可能です。これらガラス基板やウエハの製造工程において、基板厚さ0.5〜1.2mm程度のマザーガラスに対する搬送やハンドリングに際して、汚れの付着の無いこと、ストレスを生じさせないこと、キズ、損傷を与えないことが絶対条件です。
しかし、基板の搬送は、一般的には接触式で行われています。すなわち、多数のローラと無限軌道ベルトで基板を支持すると同時に、搬送ローラの回転力が摩擦によってスラスト力に変換され、基板が搬送されるます。しかし、基板が大型化した場合には、それに応じてローラ個数を増やす必要があるために、すべてのローラの高さ調整、メンテナンスなどの保守管理などが必要になります。また、マザーガラス基板の大型化はFPD製品の単価を下げる一方で、その単価は増加すること意味するため、歩留まり率向上が必要不可欠です。従って、搬送時のキズや損傷を最小限とするために、非接触搬送技術の開発が急務となっています。