3-1.積層型圧電素子を用いた高周波振動発生器

積層型圧電素子を使用した高周波発生器(以下,積層型振動子)の断面図を以下に示す.



この積層型振動子は,積層型圧電素子と,円形の薄肉部を有する円形ばね,それを支える
土台から構成されている.中に挟み込んだ圧電素子を,振動系の共振周波数で駆動する
事により,ばねの中央部分が振動する仕組みになっている.また,圧電素子のZ軸方向
以外の力を伝達させないために,割ったボールを挟み込んでいる.
振動子を実際の加工に用いる時には,振動子の中央部にコレットチャックを取り付ける.
そのため,そのコレットチャックと同じ質量の物体を載せて振動のチェックをしてやる必要が
ある.以下に駆動試験の模式図を示す.



積層型振動子の中央部に,コレットチャックブロックと同質量の錘を載せ,上下方向の振動と
ピッチ方向の振動を測定する為のセンサー(静電容量型変位計)を取り付ける.
この状態で,振動子を駆動し変位を測定した.
以下に積層型振動子の駆動試験の結果を示す.



これより,Z軸方向に片振幅で4μmの振幅を得ることができた.なお,ピッチ方向の変動は,
0.5μm以下に抑えることができた.

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